自分開発の商用ソフトウェアがAnsibleのライブラリ(lib)を呼び出すことは技術的には可能ですが、いくつかの要点を考慮する必要があります。
1. Ansibleライブラリへのアクセス方法
AnsibleのライブラリはPythonで書かれており、Ansibleの内部APIを利用してさまざまな操作を実行できます。これらのライブラリを直接呼び出すには、Pythonのコード内でAnsibleのモジュールやAPIを利用する必要があります。
1.1 Pythonでの呼び出し
Ansibleの内部APIを直接呼び出すには、以下のようなコードを使用します。Ansibleの内部APIやライブラリは公開されていないことが多いため、Ansibleのソースコードを参照して適切な呼び出し方を確認する必要があります。
from ansible.cli.playbook import PlaybookCLI
from ansible.executor.playbook_executor import PlaybookExecutor
def run_playbook(playbook_path):
options = {
'inventory': 'inventory/hosts',
'extra_vars': {'key': 'value'},
'limit': 'all',
'tags': 'all',
}
executor = PlaybookExecutor(playbooks=[playbook_path], inventory=options['inventory'], options=options)
result = executor.run()
return result
2. 商用利用のライセンス
Ansibleのライセンスを確認することが重要です。Ansibleはオープンソースであり、一般的にGPL v3ライセンスのもとで提供されています。商用ソフトウェアにAnsibleのコードやライブラリを組み込む場合、ライセンス条件を遵守する必要があります。具体的には、GPLライセンスは以下の条件を持っています。
- ソースコードの公開: GPLライセンスに基づくソフトウェアを改変または統合する場合、ソースコードを公開する必要があります。
- ライセンスの維持: ソフトウェアを配布する場合、同じGPLライセンスのもとで配布する必要があります。
3. Ansibleのプレイブックの呼び出し
商用ソフトウェアからAnsibleのプレイブックを実行する場合、Pythonスクリプトを利用してAnsibleコマンドを呼び出すことが一般的です。例えば、Pythonのsubprocess
モジュールを使用してAnsibleプレイブックを実行できます。
import subprocess
def run_playbook(playbook_path):
command = ['ansible-playbook', playbook_path]
result = subprocess.run(command, capture_output=True, text=True)
return result.stdout, result.stderr
4. AnsibleのAPIを利用する
Ansible TowerやAWXを利用して、API経由でAnsibleのジョブをトリガーすることもできます。これにより、商用ソフトウェアがHTTPリクエストを介してAnsibleのプレイブックを実行することが可能です。
4.1 API呼び出しの例
import requests
def trigger_ansible_job(job_id, auth_token):
url = f'https://ansible-tower.example.com/api/v2/job_templates/{job_id}/launch/'
headers = {'Authorization': f'Bearer {auth_token}'}
response = requests.post(url, headers=headers)
return response.json()
まとめ
- Python APIの利用: Ansibleの内部APIやコマンドラインツールをPythonから呼び出すことができます。
- ライセンスの確認: GPLライセンスの条件に従う必要があります。
- Ansible Towerの利用: HTTP APIを利用してAnsibleのジョブをトリガーできます。
商用ソフトウェアにAnsibleを組み込む場合は、ライセンスやAPIの使用方法に注意し、適切に対応することが重要です。